ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート


我が住む団地の真横には川が流れ、桜並木が広がります。花見の時期には多くの人が訪れ、当方はベランダから高みの見物。まあこのときのために住んでいるようなものです。

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(ベランダからの眺め)

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(桜のアーチが広がる)

かつては客人を招き、こたつテーブルを持ち込んで、コンロで肉を焼いたり……。自分の庭も同然ですから(笑)。

この日はあいにくの花曇。奥さまと軽くランチをしました。出来合いの弁当も、マットに敷けば彩りマシマシ。通行人の目にも留まっていたようです。

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身の丈に合った風流な暮らしを求め、拙宅を「花見庵」と名づけた。遊びの名刺にも(番地の後に)刷って悦に入っています。

災害や疫病が起きても、桜は毎年咲き続ける。人は自然と共に生きることを静かに教えてくれます。

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(デザートタイム。奥さまと7枚落ち)

(ショップだより 目次はこちら


Aさんと実戦2局(四間飛車、角換わり)。形勢判断をもとに、主張を見極め、活かすことを心掛けたいものです。

(図は△3三桂まで)
原2203170352手

図は後手の桂得。先手は4四の垂れ歩と相手の歩切れが主張でしょうか。実戦は▲7五歩△同歩▲7四歩△6五桂▲6六銀の進行。相手に歩を渡す(主張が消える)のでどうだったか。感想戦では単に▲6六銀や▲4九飛が挙がりました。


昨年の12月号から4カ月にわたり、『NHK将棋講座』の別冊として『NHK自戦記セレクション』が付されました。8月に書いたコラムで自戦記集をリクエストしたばかり。中の人の目に留まったのかな。うれしさもあり、全号買いました。次はぜひ書籍化を。

2月号は真部一男九段による3局。やはりどれも読ませます。知性あふれる筆致は唯一無二のもの。華のある対局姿ともども、今の棋士たちに似た人を見出すことができません。

対丸山四段(当時)戦(1991年)では四間飛車を採用。「この攻守にバランスのとれた戦法はなかなか味があり、また、相手がどうやってくるかも楽しみのひとつである」(自戦記より)。この頃には振り飛車党に転向していたようです。

真部さんの名文にもっと触れたくなり、当時立ち読みで済ませていた名著『升田将棋の世界』(2005年、日本将棋連盟)を古書店で購入。軽やかな真部節が手元に届き、心の安らぎを感じています。

スナップショット

(図は△4二飛まで)
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同じく対丸山戦の自戦記から。「さて、6手目の△4二飛はあまり見かけない手で、奇異に思われるかもしれないが、これは私なりに工夫した一手で、▲4六歩からの腰掛け銀を牽制している意味がある」。「ピリ辛流2手目△4二飛」は、まさにその延長線上にあり、

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら


将棋の指し手や作戦の工夫に、よく知られた原理や法則などを応用できないか。まず思いついたのが「オズボーンのチェックリスト」でした。アイデアを広げる切り口に、九つの項目があります。

(例1)角換わりの定番となった▲4八金▲2九飛型。AIが好形のお墨付きを与えたようです。最近は矢倉や相掛かりなどでも見掛けるようになりました。これらは「応用」(他からアイデアが借りられないか)の例でしょう。

(例2)「三間飛車藤井システム」「振り飛車ミレニアム」「右四間飛車エルモ囲い」。近年出版された戦法本のタイトルの一部です。いずれも「結合」(組み合わせてみたらどうか)に基づいています。

(例3)プロらしい好手に、「単に」「先に」などがあります。指したい手を含みに、後回しにする手ですね。相手を幻惑する効果もあるかと。これらは「逆転」(逆にしてみたらどうか)の例でしょう。トップ棋士の中で一番上手く利用しているのが……豊島九段でしょうか(私見)。

こうしたアイデアの源泉は他にもありそう。後日続きを書きたいと思います。

(コラム「ひよこのきもち」 目次はこちら


Aさんと実戦2局(角換わり、三間飛車)。指し手のメリハリ(急所の局面で手が止まる、狙いがはっきりしているなど)に、棋力アップの一端を感じました。

(図は△5四桂まで)
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図の局面で少考。▲6四馬と▲6四香を比較されていたようです。感想戦では▲2八馬や▲2八飛も挙がりました。実戦は▲6四馬△同金▲同香△5五角▲7七桂△6四角▲6五銀△1九角成▲5四銀△8四香▲8六桂。狐と狸の化かし合いのような進行でした。

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