ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート


将棋*ランチョンマットの5作目を作り終えました。回りの評判は毎度のこと、「きれい」「斬新ですね」「よく次から次へと思いつきますね」などなど。アイデアの在庫には事欠かないけれど、商品の在庫は増えるばかりで……。来年は販促に注力しようと思います。

これらの布盤を作ろうとしたきっかけを以前書きました。

将棋*ランチョンマット【商品ができるまで(1)】 | ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン
将棋*ランチョンマット【商品ができるまで(2)】 | ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン
将棋*ランチョンマット【商品ができるまで(3)】 | ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

既存の布盤は面白みに欠け、生地も薄い。大きさや形から、ランチョンマットを思いつきました。(注意喚起はしているものの)幾度の洗濯にも耐え、色落ちや縮みはほとんどありません。(引っ張ったり、アイロンを掛けたりするといい)

用途が二つある--今流行りの二刀流ですね。但し、食事した後にそのまま対局してほしい訳ではありません。実際、将棋盤をテーブル代わりに、飲み物や食べ物を置くことなど考えられない。それこそ将棋への冒涜というものでしょう。

このことを嫌い、購入をためらわれたなら、私の思慮が足りなかったと言わざるを得ません。使用に係る趣旨は上の通りなので、何とぞご理解願えればと思います。複数枚購入して使い分けていただくのがよろしいかと(笑)。

※ショップだよりはしばらくの間休載します

(ショップだより 目次はこちら


私も今や立派なおじさん。若いアイドルやタレントは皆同じ顔に見えてしまいます。女流棋士についても同様で、何か強い個性など示されない限り、区別をつけるのに一苦労。盤上で発揮してくれれば何よりですね。

先の女流順位戦の昇級者予想でD級の本命に推した梅津美琴女流1級。一昨年デビューした高校生棋士です。マイナビ女子オープンの予選決勝で強敵・山根女流三段を迎えた(2024/07/13)。両者秒読みが続く中、△1五歩(1図)で先手の飛車が進退窮まりました。

スナップショット

(1図は△1五歩まで)
2411

1図から梅津さんは▲7六飛!(2図)。相手の歩の利きに飛車を差し出しました。

(2図は▲7六飛まで)
24112

こ、これは魔手か。山根さんもさぞかし驚いたことでしょう。2図から△7六同歩▲7四歩△同角▲7五香△9二金▲6一竜△同玉▲7四香△7七歩成▲3一角△6四銀▲7三香成△5二玉▲6五桂△4三金▲5三歩△4一玉▲2二角成以下、先手の攻めが冴えに冴えて快勝。見事本戦入りを果たしました。

たちまちファンになりました。まだ夢も希望もあるうら若きティーンエイジャー。今後の活躍に期待しています。

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((1)オズボーンのチェックリストはこちら
((2)ランチェスター戦略はこちら
((3)ミスディレクションはこちら
((4)マーフィーの法則はこちら

将棋の指し手や作戦の工夫に、知られた原理や法則を応用する。この「(5)パレートの法則」で最終回とします。

「総価値の80%は、20%の項目から生まれる」「売上の80%は、20%の商品、20%の顧客によってもたらされる」。「ニハチの法則」「80:20の法則」などとも呼ばれています。

「仕事の成果の80%は、費やした時間の20%から生まれる」。トップ棋士のタイムマネジメントもこれに当てはまるだろうか。タイトル戦の対局から消費時間を調べてみることにした。急所の20%の局面に、80%の時間を費やしているでしょうか。

(参考)
※1日制でチェスクロックを使わず、双方秒読みになる前に終局したものを選んだ
棋王戦五番勝負第2局(2024/02/24)
▲伊藤匠七段 △藤井聡太棋王
持ち時間 4時間

94手で藤井聡太棋王が勝利しました(棋譜はこちら)。両者の指し手ごとの消費時間を多い順に並べ替えて作表しました。

伊藤2411

藤井2411

両者それぞれ47手ずつ指しました。そのうち、伊藤さん、藤井さん、ともに(2割に満たない)わずか6手に消費時間の8割を費やしていた。いやはや、恐ろしいものを見た気がしました。

※コラム「ひよこのきもち」はしばらくの間休載します

(コラム「ひよこのきもち」 目次はこちら


(C級・D級はこちら

A級 白玲挑戦1名・降級2名
2024A

【宗純さん】

※冠位、段位、敬称等は省略で失礼します

女流棋界はこのところ何年も続いている二強+ツーですが、残念ながら二強と+ツーの差は開いているように思います。ましてや多人数のリーグ戦では実力差が如実に現れますので、白玲戦はしばらくの間は二強の戦いになると思います。

《二強+ツー の対戦全成績》
宗純2024A

西山が女流棋士になった2021年度以降のタイトル戦出場回数(西山の挑戦が決定している今期王座戦を含む)は福間26回、西山20回、加藤8回、伊藤4回、中井、甲斐、香川、渡部、山根、大島が各1回です。

ちなみに西山が上記3人以外で負けたのは、甲斐と室谷だけですが、福間は上田と渡部に負け、脇田、小高、内山、山根、大島の若手にも取りこぼしています。

実績からは○加藤、△伊藤が順当ですが... 今期6月以降の加藤の不調が気掛かりです。

山根、石本、和田の若手トリオの活躍(7勝2敗、悪くとも勝ち越し)を期待したいところです!

また元奨励会三段の中七海さんが女流棋士になって、女流棋界がさらに盛り上がることも期待しています。

【ピリ辛流】

伊藤沙恵女流四段の安定感。いわゆる2強が万全でないときは最有力かと。

B級 昇級2名・降級3名
2024B

【宗純さん】

加藤は下記3項目共に好成績であり、前期の倉敷藤花戦では挑戦者決定戦に進出するなど活躍しています。期待も込めて本命に推したいと思います。

中井は大ベテランながらレーティングも上げ、直近半年は7割以上の勝率と活躍しています。一位も十分可能と思いますが、今期は加藤の活躍に期待し対抗とします。

野原は指標からも明らかなように伸び悩んでいると思います。2018年には中学生将棋名人戦で女性初の優勝、女流アマ名人戦を2017年から三連覇など大活躍し、鳴り物入りで女流棋士になった実力は。。。 巻き返しを期待しています。

宗純2024B1
※Ⓐは現在の実力の指標であるレーティング(将棋連盟 棋士別成績一覧 10/5現在)順位
(LPSA、フリーの女流棋士を含む82名)
※Ⓑはこの一年の伸び具合の指標であるレーティングの前年同月比
※Ⓒは直近の好不調の指標である今年度上半期の勝率
※ポイントはそれぞれの順位を点数化した

下記は参考にならないかも知れませんが、調べてみましたので添付します。

宗純2024B2
※中井22勝VS 千葉16勝 は2001年度以降の成績です

【ピリ辛流】

加藤結李愛女流二段の上昇度。混戦必至のB級で爆発力が問われます。

(参考サイト)
現役女流棋士一覧|棋士データベース|日本将棋連盟
成績・ランキング|日本将棋連盟
将棋の女流棋士一覧 - Wikipedia
白玲戦 - Wikipedia
将棋連盟 棋士別成績一覧
shogidata.info -将棋のデータベースサイト-

スナップショット

(図は▲5九飛まで)
2410

【ピリ辛流居飛車力戦(16)】図から後手の私は「後退流」とも言うべき退嬰的な手を続けてしまう。以下△4三銀▲5五銀△6五歩▲6四銀△5二銀▲5五歩△4三金▲4五歩△6六歩と進みました。

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら


第5期女流順位戦が始まります。これで4回目の予想となりますが、期を重ねるごとに難しさが増している印象です。注目する棋士(推し)たちを決めるセレモニーと化しているかもしれません(笑)。今回、コメント欄の常連で棋友の宗純さんにも加わっていただきました。

C級 昇級3名・降級4名
2024C

【宗純さん】

※冠位、段位、敬称等は省略で失礼します

内山は下記3項目共に好成績であり、前期女流名人リーグでは里見とのプレーオフに進出するなど活躍しています。今期も現時点で西山に次ぐ2位と健闘しています。また今期女流王位リーグ入りを決めており、期待も込めて本命に推したいところです。順位戦ですので、室谷より上位なのも大きいと思います。

室谷はタイトル戦登場5回、直近の2020年女流王将戦では西山から奪取、初戴冠目前まで迫っていましたが。。。  そもそもC級にいるのが不思議な実力者です。実績からは本命でしょうが、今期は内山の活躍に期待し対抗とします。順位も加味しています。

大島は前期マイナビ女子オープンでタイトル戦初登場、今期も現時点でベスト8に進出しています。前期女流王位リーグ紅組では3者同星首位ながら、規定(直接対決の結果それでも並んだ場合は前期成績)により挑戦者決定戦には進出できませんでした。今期4月から5月にかけて1勝11敗(西山に4敗)と不調でしたが、6月以降は5勝2敗と持ち直しています。

佐々木が女流棋士を志すきっかけは、中学2年の時に参加した全国中学生選抜将棋選手権(2018年)で3位に入賞したことだったようです。ちなみに優勝は野原、準優勝は内山でした。森信雄七段門下で大勢の優秀な兄弟子、室谷、石本、大島と姉弟子にも恵まれています。実家が浄土真宗本願寺派の光明山佛照寺とのことで、19歳ながら大盤解説の聞き手などでもあまり緊張しないように感じるストロングハートは強みかと。。。

C級は総当たりではないので、番組が大いに影響するところですが、内山、室谷、大島は三者ともに特に有利不利は無さそうです。但し七回戦の内山VS大島の直接対決は大勝負になるかも知れません。

≪レーティング順位、レーティング前年同月比、今期上半期勝率のいずれかがC級20名中の5位に入っている7名のデータ≫
宗純2024C
※Ⓐは現在の実力の指標であるレーティング(将棋連盟 棋士別成績一覧 10/9現在)順位(LPSA、フリーの女流棋士を含む81名)
※Ⓑはこの一年の伸び具合の指標であるレーティングの前年同月比
※Ⓒは直近の好不調の指標である今年度上半期の勝率
※順位はC級20名中の順位

【ピリ辛流】

大島綾華女流二段の前期の不調はタイトル戦出場の反動でしょうか。

D級 昇級4名・降級点7名
2024D

【宗純さん】

≪レーティング順位、レーティング前年同月比、今期上半期勝率のいずれかがⅮ級37名中の5位に入っている7名のデータ≫
宗純2024D
※Ⓐは現在の実力の指標であるレーティング(将棋連盟 棋士別成績一覧 10/10現在)順位(LPSA、フリーの女流棋士を含む81名)
※Ⓑはこの一年の伸び具合の指標であるレーティングの前年同月比
※Ⓒは直近の好不調の指標である今年度上半期の勝率
※順位はⅮ級37名中の順位

下記は女流順位戦以外の7棋戦におけるリーグ入り、本戦及び予選でのベスト16以上の実績をを直近二期から纏めたものです。

今井
・前期女流王座戦 ベスト16 西山に敗退
・今期女流名人戦リーグ 現時点で4勝3敗 西山、内山に次ぐ3位
・今期女流王位戦 リーグ入り
・今期女流王将戦 ベスト8 香川に敗退
・前期倉敷藤花戦 ベスト4 加藤(桃)に敗退

磯谷
・前期清麗戦 ベスト8 鈴木に敗退
・今期女流王座戦 ベスト8 伊藤(沙)に敗退

松下
・今期マイナビ女子オープン戦 ベスト8進出
・前期マイナビ女子オープン戦 ベスト8 加藤(桃)に敗退
・前期女流王位戦リーグ 白組で1勝4敗

宮澤
・今期女流王座戦 ベスト16 西山に敗退
・今期女流王将戦 ベスト8 渡部に敗退

木村
・前期女流王将戦 ベスト16 挑戦者・香川に敗退
・前期倉敷藤花戦 ベスト8 上田に敗退

和田
・今期女流王位戦 リーグ入り
・今期倉敷藤花戦 ベスト16 西山に敗退

今井は前期最終戦で木村に負けたため頭ハネで次点に終わった。今期は全勝で昇級したいところです。番組的にも十分可能でしょうが、7回戦の和田戦が興味深い。。。 元奨励会1級の実力を示して欲しい。

磯谷は女流アマ名人戦2連覇、女流アマ王位戦で2連覇を含む優勝3回、全日本学生将棋女流名人戦優勝、アマチュアが参加可能な女流棋戦においても活躍し、鳴り物入りで女流棋士になった逸材。師匠のような個性的な将棋を目指してもらいたいものです。

昨年からレーティングを下げた松下、木村は今期が正念場と頑張って欲しい。宮澤には今の好調を持続して大ブレークを期待したい。和田にはA級入りした姉に早く追いついて欲しいところです。

【ピリ辛流】

梅津美琴女流1級はいつか見た棋譜が才気にあふれていました。

(参考サイト)
現役女流棋士一覧|棋士データベース|日本将棋連盟
成績・ランキング|日本将棋連盟
将棋の女流棋士一覧 - Wikipedia
白玲戦 - Wikipedia
将棋連盟 棋士別成績一覧
shogidata.info -将棋のデータベースサイト-

A級・B級に続く)

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら

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