ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート


室田伊緒女流二段を初めてイベントで見たのは2007年の「将棋の日」(於・東京都世田谷区)。里見五冠との席上対局でした。このとき二人はいわゆる「キラリっ娘」のメンバー。当時の女子バレーの「メグ・カナ」ブームならぬ「イオ・カナ」対決でした。確か二人とも学生服姿だったかと。

今では藤井聡太五冠の活躍に沸く東海地域の顔役的存在。(「女帝」の二つ名もあるとか)。人生にトピックは付き物ですが、きっと将棋が好きで、勝負が好きな人なのかなと思ったり。

魔性をはらんだような聡明な輝きは、デビュー当初から変わることがありません。昨年は女流順位戦でB級へ昇級。もともと実力は折り紙つきです。

スナップショット

(図は△7二金まで)
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師匠(杉本昌隆八段)譲りの振り飛車党。私好みのツノ銀四間飛車を披露してくれました。(清麗戦予選、対水町女流初段、2022/10)。図から▲5四歩△同銀左▲5六銀右△7四歩▲5五歩△4三銀▲4五歩△1二香(渋い!)▲4四歩△同角▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛△3三桂▲4六銀△6二角と進み、熱戦を後手が制しました。

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ランチョンマットの販売から4年余り。今年も新作に取り組みます。

マットを実際に手にされた方からは、「きれい」「斬新」などの賛辞と、「外人さんに売ったらどうですか」「札幌で売ったら」などの助言をいただくことが多い。敷物にしたり、額装して飾ったり、使い方も人それぞれのようです。

マットA1
(季節によってマットを変えているとのこと。東村山市・Dさん)

マットB
(事務所を飾るマット。開運につながりますよう。横浜市栄区・Eさん)

私は食卓で常時使っています。(在庫が売るほどあるので)。もう何十回となく洗濯しましたが、至って丈夫です。商品ページにはコンプライアンスの手前、注意書きを添えていますが、色落ちはなし、縮みもなし。引っ張れば元に戻り、アイロンを掛ければさらに万全です。

「使われてこそ名駒」の例えもあるように、食事に対局に、ぜひバンバン使ってほしいですね。それでも「もったいない」「汚したくない」とためらわれる方は、写真集などの定跡に倣い、①普段使い用、②保存用、③普及用の3枚をお求めください(笑)。

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中川大輔八段のイメージは居飛車の力戦派、お洒落でダンディー、登山研隊長などなど。ちょい悪オヤジは平成の死後かな。今時はイケオジですか。

今年度、9年ぶりにNHK杯将棋トーナメント本戦に出場。私は雑用の合間に「ながら見」することが多いが、その日は屋敷九段に快勝した。後日棋譜を見ると、屋敷さんの四間飛車に対し、手厚く玉頭戦を制していました。

2回戦では出口六段を下し、自戦記がNHKテキストに載っていた。相掛かりの溌剌(はつらつ)とした指し回し。自身も「前に出る」方針だったとのこと。五十代の戦い方やAIのこと、端歩に係る伏線とその回収、結びと読後感のよさなど、素晴らしい読み物でした。

厚みや勢いを重んじる棋風は、師匠の米長永世棋聖を彷彿とさせます。男気あふれる中川将棋は、特に映像で観ると、より一層心を惹かれるものがあります。

スナップショット

(図は▲3七桂まで)
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【ピリ辛流2手目△7二金メモ(6)】嬉野流とのハイブリッド。中飛車に対し、不満のない駒組みでしょう。図から△4二角が私らしい手。相手に動いてもらう方が得策かと。以下▲4五桂△3四歩▲5三歩△6二金▲5六飛△5五歩▲4六飛△5四銀▲5八金左△2四角と進みました。

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昨秋行った無料カウンセリングでの出来事。お客様はコロナ禍のリモート勤務でおうち時間が増え、相次ぐ藤井聡太さんの報道で将棋に興味を持たれたとのこと。入門用のソフトで学んだ後、将棋道場の女性教室に参加する勇気が持てず、個人指導の当方を探し当てたのだとか。ありがたいことです。

人と指すのは初めてらしく、栄えある大役を仰せつかり、どうにか一局を指し終えました。棋力診断8級。とても聡明な方とお見受けしました。

初歩の初歩から私が手ほどきすることは容易いけれど、コストでもある。ある程度の基本を、本を読んで自分なりに理解してからレッスンを受ける方がお得で賢いのではとお伝えしました。将棋の本を読むことは、将棋の「読む力」をつけることに似ていると感じます。(参考:過去ログ

カウンセリングの後、少し冷た過ぎたかな、言葉足らずだったかなと反省しました。その戒めや補足として、今後入門書の読み方やレビューなどを綴ってみたいと思います。

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脇田菜々子女流初段はキャリア5年目の中堅。新設された女流順位戦ではどうしたことか星が集まらず、前期は降級点を取ってしまった。所属を関東に移したのも、何かを変えたい心の表れでしょう。

8月、マイナビ女子オープン本戦1回戦の相手は里見女流五冠。この対局で脇田さんは頑張りました。

(1図は▲7八飛まで)
20220823里見脇田55手

1図から△6六銀!(2図)

(2図は△6六銀まで)
20220823里見脇田56手

以下▲同歩△8七桂成▲7九飛△7七成桂で優勢となり、終盤も震えず見事に勝ち切った。勝負事はこれがあるから面白いですね。

脇田さんの棋士人生はこれからも続きますが、本局は「生涯の一局」の最有力候補でしょう。同じくこの△6六銀も「生涯の一手」かと。△6六銀と言えば、羽生二冠(当時)の王座戦千日手局(3図・対渡辺王座、2012/10)が有名ですが、輝きは決して見劣りしません。

人生は波のごとし。次は上がるだけです。心技体を整え、ますますの活躍を期待しています。

(3図は△6六銀まで)
20121003渡辺羽生122手

スナップショット

(図は▲3六飛まで)
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【ピリ辛流2手目△7二金メモ(5)】図から△3一歩。まあまあの手と思いきや、我が家のAIには不評でした(笑)。以下▲3七桂△6五歩▲5六金△6六歩▲同金△6五歩▲5六金△7七角成▲同銀△2七角▲3五飛△4九角成と進みました。

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