井上慶太九段のイメージは、温厚で朗らか、タレント豊富なお弟子さんたち、軽快な居飛車党……などでしょうか。某日、モバイル中継で図の局面が目に留まりました。
(図は△2五歩まで)

井上さん、自由だなあ。楽しそうだなあ。昨年10月6日、順位戦B2・対藤井猛九段戦。10手目△2五歩まで。昼食休憩時の局面です。昼食の天津丼はどんな味がしていたでしょう(笑)。
二人の対局では、かの藤井システム1号局が有名ですね。(47手で藤井さんの勝ち。1995年の順位戦B2)。このトラウマ?のせいか、対戦成績は(本局前まで)藤井さん12勝、井上さん2勝と偏りがありました。最近は相振り飛車が続いていたようです。
図から▲7八銀△7七角成▲同銀△2二飛と進み、井上さんは中住まいから、馬を手厚く自陣へ。その後も指し手は冴え渡り、見事に快勝されました。晴らした憂さはいかばかりか。

(図は▲2六角まで)

【ピリ辛流2手目△4二飛メモ(5)】次の手は好みが分かれそうですね。ピリ辛流は△9二香▲3五歩△9一飛。以下▲6六銀△5四歩▲2四歩△同歩▲3四歩△同銀▲3八飛△4三銀▲3四歩△4二角▲3七桂△8四歩▲5五歩△6五歩▲7七銀引△9五歩と進みました。
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