ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート

2022/01


Aさんと実戦2局(矢倉、ゴキゲン中飛車)。2局とも、双方の玉の詰む・詰まない、渡せる駒・渡せない駒の見極めなど、難しい終盤戦になりました。

(図は△5六銀まで)
原2201200368手

後手が懸命に追い上げた局面。(図の△5六銀は詰めろ竜取り)。図から▲5五角が攻防を兼ねた鋭手でした。以下△6七と▲8八玉△4五銀▲7四桂△8三玉▲6三銀△5七飛▲7五桂△9二玉▲7二銀不成△同金▲6三と△5五飛成▲7二と。途中後手玉に詰みがありました。


井上慶太九段のイメージは、温厚で朗らか、タレント豊富なお弟子さんたち、軽快な居飛車党……などでしょうか。某日、モバイル中継で図の局面が目に留まりました。

(図は△2五歩まで)
20211006藤井井上10手

井上さん、自由だなあ。楽しそうだなあ。昨年10月6日、順位戦B2・対藤井猛九段戦。10手目△2五歩まで。昼食休憩時の局面です。昼食の天津丼はどんな味がしていたでしょう(笑)。

二人の対局では、かの藤井システム1号局が有名ですね。(47手で藤井さんの勝ち。1995年の順位戦B2)。このトラウマ?のせいか、対戦成績は(本局前まで)藤井さん12勝、井上さん2勝と偏りがありました。最近は相振り飛車が続いていたようです。

図から▲7八銀△7七角成▲同銀△2二飛と進み、井上さんは中住まいから、馬を手厚く自陣へ。その後も指し手は冴え渡り、見事に快勝されました。晴らした憂さはいかばかりか。

スナップショット

(図は▲2六角まで)
2201

【ピリ辛流2手目△4二飛メモ(5)】次の手は好みが分かれそうですね。ピリ辛流は△9二香▲3五歩△9一飛。以下▲6六銀△5四歩▲2四歩△同歩▲3四歩△同銀▲3八飛△4三銀▲3四歩△4二角▲3七桂△8四歩▲5五歩△6五歩▲7七銀引△9五歩と進みました。

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら


学生の頃から見ていた「クイズダービー」(TBS系列)。馬券の人気は、3枠・はらたいら、4枠・竹下景子に集まった。1枠には長く篠沢秀夫(大学教授)が座った。浮世離れして正答率は高くなかったが、たまに穴を開けていました。

篠沢教授は、答えを知っている問題が出ることを「不愉快」と言った。知らない問いをあれこれ謎解きすることが(それがとんでもない誤答であっても)「愉快」なのでしょう。学者らしいというべきか。

将棋にも相通ずるところがありませんか。AIが進化し、定跡が整備されても、結局は未知の局面に遭遇する。下手は下手なりに、ない知恵を振り絞って、ああでもないこうでもないと考えることを楽しんでいるのです。

新旧の王者が、会見でよく似た回答をしていたという*記事を読みました。

藤井聡太竜王(竜王獲得後、「将棋とは」という質問に)
「将棋は奥が深くて、どれだけ考えてもわからないものではあるんですが、本当に指すごとに新しい発見を与えてくれるものなのかなと思います」

羽生九段(永世七冠を達成後、今後の目標について聞かれ)
「もちろん記録を目指していくというのもありますが、将棋そのものを本質的にどこまで分かっているのかと言われたら、まだまだよく何もわかっていないというのが実情です」

トッププロをもってしても「分からない」。我々アマは言わずもがなですね。分からないから面白い。だからもうこれからは本当に、指したい将棋を、指したい手を、指したいように指そうと思います。口だけではなく--。

*(参考記事)将棋を愛し強き者の共通点 藤井聡太竜王・羽生善治九段 2人の天才が竜王獲得の会見で一致した「将棋はわからない」という言葉 | ニュース | ABEMA TIMES

(コラム「ひよこのきもち」 目次はこちら


ピリ辛流作
年賀詰2022

▲1二飛  △3三玉  ▲3二飛成 △2四玉  ▲3五銀  △同 金
▲1五金  △同 玉  ▲3五竜  △1四玉  ▲2四金  △同 角
▲2五銀  △1五玉  ▲2四銀  △1六玉  ▲3八角  △1七玉
▲3七竜  △1八玉  ▲2七竜  △1九玉  ▲2九竜まで23手詰

初形「4」

2022(令和4)年の年賀詰。初形「4」。サイコロの4の目、麻雀の4筒または4索などとお認めいただきたい。

5手目▲3五銀と11手目▲2四金はいずれも守備駒を質に取る捨駒。特に▲2四金は好手と思う。17手目▲3八角は限定打。雪隠へ追い込んで詰め上がり。手順にはそこそこ満足している。なお2手目△2三玉も▲3二飛成以下作意手順で詰む(変同)。


2022-00029-1

ピリ辛流作(23手詰)
年賀詰2022

(作意手順を1月5日に掲載します)

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