脇田菜々子女流初段はキャリア5年目の中堅。新設された女流順位戦ではどうしたことか星が集まらず、前期は降級点を取ってしまった。所属を関東に移したのも、何かを変えたい心の表れでしょう。
8月、マイナビ女子オープン本戦1回戦の相手は里見女流五冠。この対局で脇田さんは頑張りました。
(1図は▲7八飛まで)

1図から△6六銀!(2図)
(2図は△6六銀まで)

以下▲同歩△8七桂成▲7九飛△7七成桂で優勢となり、終盤も震えず見事に勝ち切った。勝負事はこれがあるから面白いですね。
脇田さんの棋士人生はこれからも続きますが、本局は「生涯の一局」の最有力候補でしょう。同じくこの△6六銀も「生涯の一手」かと。△6六銀と言えば、羽生二冠(当時)の王座戦千日手局(3図・対渡辺王座、2012/10)が有名ですが、輝きは決して見劣りしません。
人生は波のごとし。次は上がるだけです。心技体を整え、ますますの活躍を期待しています。
(3図は△6六銀まで)


(図は▲3六飛まで)

【ピリ辛流2手目△7二金メモ(5)】図から△3一歩。まあまあの手と思いきや、我が家のAIには不評でした(笑)。以下▲3七桂△6五歩▲5六金△6六歩▲同金△6五歩▲5六金△7七角成▲同銀△2七角▲3五飛△4九角成と進みました。
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