中川大輔八段のイメージは居飛車の力戦派、お洒落でダンディー、登山研隊長などなど。ちょい悪オヤジは平成の死後かな。今時はイケオジですか。
今年度、9年ぶりにNHK杯将棋トーナメント本戦に出場。私は雑用の合間に「ながら見」することが多いが、その日は屋敷九段に快勝した。後日棋譜を見ると、屋敷さんの四間飛車に対し、手厚く玉頭戦を制していました。
2回戦では出口六段を下し、自戦記がNHKテキストに載っていた。相掛かりの溌剌(はつらつ)とした指し回し。自身も「前に出る」方針だったとのこと。五十代の戦い方やAIのこと、端歩に係る伏線とその回収、結びと読後感のよさなど、素晴らしい読み物でした。
厚みや勢いを重んじる棋風は、師匠の米長永世棋聖を彷彿とさせます。男気あふれる中川将棋は、特に映像で観ると、より一層心を惹かれるものがあります。

(図は▲3七桂まで)

【ピリ辛流2手目△7二金メモ(6)】嬉野流とのハイブリッド。中飛車に対し、不満のない駒組みでしょう。図から△4二角が私らしい手。相手に動いてもらう方が得策かと。以下▲4五桂△3四歩▲5三歩△6二金▲5六飛△5五歩▲4六飛△5四銀▲5八金左△2四角と進みました。
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