ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート

2023/05


村田顕弘六段の新刊「オールインワンの新戦法 村田システム」。鳥刺しや嬉野流、カメレオンなどに通ずる力戦調。本の帯には「将棋は村田システムかそれ以外か」とあります。その意気やよし。

コラムには「私は角道を(すぐに)開けないことに人生を賭けたい。村田システムの挑戦に、強い使命感を抱いている」とも。村田さんはかつて関西の四天王の一人に名を連ねていました。棋士の個性は人それぞれ。意外と無頼派なのかもしれません。実戦ではあまり採用されていないようでも、これだけ著書で手の内を明かしてしまっては仕方のないことでしょう。

私はかねてより初手の最善手は▲7六歩ではないような気がしていました。可能性や選択肢を広げる。相手の出方を見て対応を決める。これらに重きを置くことに相反するとも思えるからです。それはさておき、こうしたオリジナル戦法がプロ棋士により披露されることは喜ばしい限りです。

スナップショット

(図は▲1七香まで)
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【ピリ辛流居飛車力戦(2)】上に感化され、序盤戦を楽しんでいます。私は受け将棋なので専ら持久戦になるのですが(笑)。図の▲1七香は誘いの隙か。以下△4五銀▲同銀△1七角成▲5八飛△4四歩▲5四銀△同銀▲5五歩△6三銀▲5四歩△5二香と進みました。

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら


高野本
将棋「初段になれるかな」会議
[著]高野秀行・岡部敬史・さくらはな。
[出版社]扶桑社
[価格]1,012円
[発売日]2018/12/27

読者対象をはっきり「級位者」と定めている。『本書は、今まで身の丈に合った本がなかったに違いない級位者のみなさんにとって「これならわかる」を目指したものです』(「はじめに」より)

手に取りやすい新書判。高野秀行六段の分かりやすい解説を、ライターの岡部氏と漫画家のさくら氏が読みやすく親しみやすくサポートしています。三人の対談をもとに講義は進む。自分を生徒のアマ二人と重ね合わせて読むといいでしょう。

将棋の符号は少なめ、図面は多め。手筋や格言など上達のコツがコンパクトにまとめられています。何気ない会話の中に、棋力アップにつながるヒントやエッセンスが散りばめられている。読み進めるうちに、将棋脳が動き出し鍛えられていくことでしょう。

(コラム「ひよこのきもち」 目次はこちら

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