ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート

2023/07


都成竜馬七段は谷川十七世名人の唯一の弟子。都成竜馬⇒都(みやこ)に成る竜馬⇒5五角成。名前からしてまさに将棋の申し子のようです。

新手メーカーとして知られ、「都成流△3一金」と呼ばれる後手番の戦法が有名です。某YouTubeで、特に後手番で工夫を出したいと発言されていて、自らの棋士としてのアイデンティティを「独創」に求めるこだわりや矜持を感じます。

(図は△7一金まで)
20230317木村都成48手

振り飛車ミレニアム囲いの先駆けでもある。この日は一段下がった矢倉でした。(竜王戦1組ランキング戦、対木村九段戦、2023/03)。7一の金を銀で引っ掛けられる心配がないのがいいですね。図から▲2六角△1二香▲3五歩△同歩▲3八飛△4四角と進みました。

ルックスも人柄も申し分なし。ポテンシャルを出し惜しみすることなく、盤上盤外でのさらなる活躍に期待しましょう。

スナップショット

(図は▲4六歩まで)
2307

【ピリ辛流居飛車力戦(3)】角道も飛車道も開けない2手目△6二銀を試しています。図まで組めれば後手も満足でしょうか。以下△3四歩▲2六角△3三桂▲4七金△4二角▲3五歩△5四飛▲3六金△5五歩と進みました。

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら


藤井本
四間飛車上達法
[著]藤井猛
[出版社]浅川書房
[価格]1,540円
[発売日]2017/12/25

正しくは(入門書というより)技術書でしょうか。スラスラと読める本や、手っ取り早く知識や理屈が得られる本がいい本という訳ではない。ゆっくりとつっかえながら時間を掛けて読む本や、何度も何度も繰り返して読んで体の中に深く取り込んでいくような感じの本もある。本書は後者に当たります。

著者本人が『自分が子どもの頃に「こんな本に出会いたかった!」と思うような本を作ってみました』と述べている。孤軍奮闘して藤井システムを作り上げた棋界きっての理論派。四間飛車を通して将棋の序中終盤を理解し、一本の軸が身につくよう、熱心に語ってくれます。

聞き手との会話調で講義は進む。自分を聞き手(受講者)と重ね合わせて読むといいでしょう。初心のうちから手元に置きたい名著。将棋が好きになれるか否かの踏み絵のような本かもしれません。

(コラム「ひよこのきもち」 目次はこちら

↑このページのトップヘ