ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート

2024/01


棋友に雁木対策について聞かれ、門倉啓太五段著「新型雁木を一気に潰そう!」を購入しました。まだ斜め読みですが、とても読みやすく、主要な変化が整然と網羅されていました。やっぱり棋士って頭がいいんですね(笑)。

門倉さんは初手▲7八飛に代表されるように、作戦家、序盤巧者のイメージがあります。近頃は居飛車も指されていますが、同書のコラムにも「どのような戦型になってもオリジナリティを出すことを意識」していると綴られています。

私は決して熱心なウオッチャーではありませんが、年に一度くらい(失礼)、門倉さんの目を見張るような快勝譜を見掛けます。

(図は△6四歩まで)
20240109門倉斎藤58手

今週の順位戦もそんな一局でした。(順位戦C級1組、対斎藤明日斗五段戦、2024/01/09)。後手の一手損角換わりに早繰り銀で先攻。図から▲8二金が好手でした。以下△5一玉▲8三金△6六角▲同飛△6五桂▲7三角△4一玉▲6四角成△5七桂成▲4六馬△5八成桂▲6一飛成△5一銀▲7三馬と攻めを継続。鮮やかな勝利でした。今後もセンスに富んだ序盤作戦に注目したいと思います。

スナップショット

(図は▲9四成桂まで)
2401

【ピリ辛流居飛車力戦(9)】ゴキゲン中飛車に右玉で応戦。図から△2五歩▲同歩△3五歩▲9五成桂△2六歩▲同銀△3六歩▲7四歩△同銀▲8四成桂△3七歩成▲同銀△2七歩▲同金△6三角と進みました。

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら


四つ下の妹からメールが届いた。質問に詰将棋の画像(下図)が貼り付いている。えっ、将棋始めたの? スマホの詰将棋アプリ(みんなの詰将棋)の1手詰を終え、3手詰に進んだそうです。

みん詰3手

「13飛、同馬、32角成って正解できたけど…同馬をアプリが勝手に動いたから32角成がわかったのであって、2手目は同玉とは動かないのね?詰まなくなっちゃうよね?」

「熱心だね。感心。13飛に同玉は12飛成までの3手詰。このとき取った桂が余る。これを『同手数駒余り』と言う。詰将棋のルールに『玉方は最善の逃げ方をする。詰みの手数が最長になる手を選ぶ。そのような手が複数ある場合、攻方の持ち駒が余らない手を優先する』。なので2手目は13同馬が最善の応手(正解)となります。ややこしいね」

「あー!そうかそうか。12飛成が見えてなかった。桂馬取る事になるもんね。わかった。3手詰は2手目がわからなくて…アプリは勝手にやってくれるけど、紙の問題は自分で考えなきゃいけないから…」

なるほど、初級者はこういうところで悩むのか……。以上を予告編として、後日続きを書いてみたい。妹には「3手詰がんばって」「3手の読み(こうやる、こう来る、そこでこう指す)は将棋の基本だから」と伝えました。

(コラム「ひよこのきもち」 目次はこちら


ピリ辛流作
年賀詰2024

▲1四角  △2二玉  ▲4一歩成 △1三玉  ▲2二竜  △同 玉
▲3一馬  △1一玉  ▲1二歩  △同 玉  ▲2四桂  △1一玉
▲2一馬  △同 玉  ▲3二角成 △1一玉  ▲3三馬  △2二金合
▲1二歩  △2一玉  ▲3二桂成 △同 金  ▲1一馬まで23手詰

初形「6」

2024(令和6)年の年賀詰。初形「6」(ローマ数字のⅥ)。端正な清貧図式と思う。2手目△2三金合や飛合は▲2四桂以下早い。

5手目▲2二竜、13手目▲2一馬の捨駒が気持ちいい。最終手▲1一馬なら詰め上がりに再び「6」が現れる。なお18手目△2二金合は飛合も同じ要領で詰む(変同)。正月に免じてどうかお目こぼしを。

(詰め上がり図は▲1一馬まで)
年賀詰20242


2024-00029-1

ピリ辛流作(23手詰)
年賀詰2024

(作意手順を1月5日に掲載します)

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