ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート

2024/11


私も今や立派なおじさん。若いアイドルやタレントは皆同じ顔に見えてしまいます。女流棋士についても同様で、何か強い個性など示されない限り、区別をつけるのに一苦労。盤上で発揮してくれれば何よりですね。

先の女流順位戦の昇級者予想でD級の本命に推した梅津美琴女流1級。一昨年デビューした高校生棋士です。マイナビ女子オープンの予選決勝で強敵・山根女流三段を迎えた(2024/07/13)。両者秒読みが続く中、△1五歩(1図)で先手の飛車が進退窮まりました。

スナップショット

(1図は△1五歩まで)
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1図から梅津さんは▲7六飛!(2図)。相手の歩の利きに飛車を差し出しました。

(2図は▲7六飛まで)
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こ、これは魔手か。山根さんもさぞかし驚いたことでしょう。2図から△7六同歩▲7四歩△同角▲7五香△9二金▲6一竜△同玉▲7四香△7七歩成▲3一角△6四銀▲7三香成△5二玉▲6五桂△4三金▲5三歩△4一玉▲2二角成以下、先手の攻めが冴えに冴えて快勝。見事本戦入りを果たしました。

たちまちファンになりました。まだ夢も希望もあるうら若きティーンエイジャー。今後の活躍に期待しています。

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら


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将棋の指し手や作戦の工夫に、知られた原理や法則を応用する。この「(5)パレートの法則」で最終回とします。

「総価値の80%は、20%の項目から生まれる」「売上の80%は、20%の商品、20%の顧客によってもたらされる」。「ニハチの法則」「80:20の法則」などとも呼ばれています。

「仕事の成果の80%は、費やした時間の20%から生まれる」。トップ棋士のタイムマネジメントもこれに当てはまるだろうか。タイトル戦の対局から消費時間を調べてみることにした。急所の20%の局面に、80%の時間を費やしているでしょうか。

(参考)
※1日制でチェスクロックを使わず、双方秒読みになる前に終局したものを選んだ
棋王戦五番勝負第2局(2024/02/24)
▲伊藤匠七段 △藤井聡太棋王
持ち時間 4時間

94手で藤井聡太棋王が勝利しました(棋譜はこちら)。両者の指し手ごとの消費時間を多い順に並べ替えて作表しました。

伊藤2411

藤井2411

両者それぞれ47手ずつ指しました。そのうち、伊藤さん、藤井さん、ともに(2割に満たない)わずか6手に消費時間の8割を費やしていた。いやはや、恐ろしいものを見た気がしました。

※コラム「ひよこのきもち」はしばらくの間休載します

(コラム「ひよこのきもち」 目次はこちら

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