謹賀新年。コロナは(将棋に例えると)中盤の入口あたりでしょうか。形勢はまだはっきりとしませんね。

戦法で迷われている初級者には振り飛車をおすすめしています。居飛車は対抗形の他にも、矢倉や角換わり、相掛かりなど、間口が広く、覚えることが多い。対して振り飛車の駒組みは比較的易しい。やはり序盤は無難に乗り切りたいですからね。

角道を止め、飛車を振るのに一手かけるから、守勢はやむを得ません。心の拠りどころは美濃囲いの堅陣。相手の出方をじっくりと見ながら戦いに備えましょう。

近年は角道を止めない「攻める振り飛車」も増えました。ここでは昔からあるオーソドックスな振り飛車に限り、基本的な考え方を紹介します。定跡を詳しく覚えることよりも、一局の大まかな流れをつかむこと、序盤から多少押されても大らかな気持ちで指すことを心掛けてください。

振り飛車は江戸時代、現存する最古の棋譜でも指されました。歴史と伝統に誇りを持ち、自由に楽しく指しましょう。

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