飛車を振るつもりが、相手から先に振られたときにどうするか。

①居飛車にする(対抗形)
②自分も振る!(相振り飛車)

プロでも二通りに分かれます。①は久保九段、②は藤井猛九段が代表格でしょうか。

私のおすすめは①。「振り飛車しか指さない、居飛車は指さない」というのは、「魚しか食べない、肉は食べない」に似ていませんか。単なる食わず嫌いは、食事の半分を損している。同様に「振り飛車しか指さない」は、将棋の楽しさの半分を損しているように思えてなりません。

居飛車vs振り飛車の対抗形は、実は見慣れた将棋、よく指している将棋になるということ。違うのは見ている景色。上下反転、いわゆる「ひふみんアイ」ですね。普段相手にされて嫌なことを、こちらがして差し上げればいいのです(笑)。

(図は△3二飛まで)
相振り4手

図から先手が居飛車にするのは、気合い負けで少し損かもしれません。けれど私たちレベルならどうということはない。こちらは角道を止め、あちらは三間飛車。じっくりと持久戦を目指しましょう。

▲5八金右△3五歩▲6八玉A△6二玉▲7八玉B△7二玉が一例。AやBで△3六歩とされたときは、▲同歩と取らず▲4八銀としましょう。以下△5五角▲3八飛△3七歩成▲同銀で何も起こりません。

(2)に続く)

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