将棋の指し手や作戦の工夫に、よく知られた原理や法則などを応用できないか。まず思いついたのが「オズボーンのチェックリスト」でした。アイデアを広げる切り口に、九つの項目があります。

(例1)角換わりの定番となった▲4八金▲2九飛型。AIが好形のお墨付きを与えたようです。最近は矢倉や相掛かりなどでも見掛けるようになりました。これらは「応用」(他からアイデアが借りられないか)の例でしょう。

(例2)「三間飛車藤井システム」「振り飛車ミレニアム」「右四間飛車エルモ囲い」。近年出版された戦法本のタイトルの一部です。いずれも「結合」(組み合わせてみたらどうか)に基づいています。

(例3)プロらしい好手に、「単に」「先に」などがあります。指したい手を含みに、後回しにする手ですね。相手を幻惑する効果もあるかと。これらは「逆転」(逆にしてみたらどうか)の例でしょう。トップ棋士の中で一番上手く利用しているのが……豊島九段でしょうか(私見)。

こうしたアイデアの源泉は他にもありそう。後日続きを書きたいと思います。

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