狩山幹生五段は今年度、竜王戦で連続昇級し五段に昇段。棋王戦でもトーナメント入りしました。俊英ひしめく井上九段門下。後輩に当たる藤本五段や上野四段の活躍にも刺激を受けているでしょうか。

ウィキペディアによれば、「自分から仕掛けることは絶対にしない」徹底した受け将棋を持ち味としているとか。いいないいな、湧き上がるシンパシー(笑)。ぜひとも自身の考える棋理や勝負哲学などを拝聴したいものです。

私が特に注目したのは、棋王戦挑戦者決定トーナメントの緒戦で、永瀬九段を持将棋指し直しの末に退けた対局でした。「負けない将棋」の永瀬「軍曹」に粘り勝った。「令和の受ける青春」と呼ぶにふさわしい殊勲でした。かつて永瀬さんがそうであったように、今後攻守のバランスが加われば、さらなる飛躍が望めるでしょう。

スナップショット

(1図は△9五歩まで)
25022

上の対永瀬九段戦(2024/06/27)。角換わりから1図182手で持将棋。指し直し局は相掛かりから2図187手で狩山四段(当時)の勝ち。永瀬さんから2局続けて入玉を果たしました。総手数369手、終局時間は翌日の0時45分でした。狩山ワールド、恐るべし。

(2図は▲3二とまで)
2502

(コラム「月刊いいね!」 目次はこちら