吉池隆真四段は、三段時代の2023年、加古川青流戦で準優勝。振り飛車に対し、右玉を用いて強敵を連破していた。(私は右玉のヘビーユーザーなので)ぜひとも四段に上がってほしいと願っていました。
対振り右玉と言えば、糸谷八段の糸谷流がよく知られています。昨年度のNHK将棋講座でも解説していましたが、自身の対局ではとんと見掛けません。やはりトッププロのシビアな研究勝負には不向きなのでしょうか。
吉池さんのプロデビュー戦は竜王戦6組ランキング戦(2024/12/13)。西山女流三冠に対し、名刺代わりとばかりに対振り右玉を採用して快勝しました。読売新聞の観戦記によれば、奨励会時代の右玉採用率は9割。「試行錯誤を続けているが、まだしばらくはこれで行く」と明言しています。
まだ二十歳の個性あふれる「右玉王子」。盤上盤外でのフレッシュな活躍を期待しましょう。

(1図は▲6七銀まで)

上の対西山女流三冠戦。1図まで先手陣の何と美しいことでしょう。以下△8三金▲8九飛△6二金▲6五歩△同歩▲4五歩△7二金▲4六角(2図)と進み、戦いになりました。
(2図は▲4六角まで)

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コメント
コメント一覧 (2)
西田五段の三間飛車に得意の右玉で見事勝利!
コメントありがとうございます。
放送は見逃しました…。
作戦家の西田さんのこと、さぞかし見応えのある序中盤だったかと。