今では振り飛車党の御大とも言うべき菅井竜也八段。2017年の王位戦挑戦は衝撃的でした。「ゴキゲン三間飛車」や「阪田流三間飛車」など、独創的な作戦で羽生王位(当時)を翻弄し、初タイトルを手にしました。

昨今、振り飛車は苦しいとされていますが、相居飛車の将棋に比べて自由度は高く、工夫の余地があることも明らかになっています。今期の順位戦で菅井さんが魅せてくれました。

スナップショット

(1図は▲8八銀まで)
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順位戦B級1組、対青嶋七段戦(2025/07/31)。菅井さんは7手目に▲8八銀(1図)と上がった。こういうのを見るとワクワクするんですね。だって、間違いなくAI由来の手ではないでしょう(笑)。

私にはうっすらと分かる気がした。青嶋さんは対振り飛車にはほぼ穴熊を目指してくる。これをどう迎え撃つか。初手▲7八飛は仮の姿。地下鉄飛車(▲1九飛▲6八角)から、左辺は軽く受け流し、端に殺到する……。

(2図は▲1九飛まで)
20250731菅井青嶋43手

実戦もそのように進みました(2図)。結果は幸いしなかったけれど、ロマンがあっていいですね。これからも、やんちゃ流で振り飛車ファンを楽しませてください。

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