ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート

カテゴリ: コラム「ひよこのきもち」


将棋を覚えたての頃、「詰めろ」(詰めよ)という聞きなれない用語に戸惑いませんでしたか。ウェブで調べたところ、ウィキペディアに、

「詰めろ」の語源は、「次にあなたの玉将を詰めるから、その前にこちらの玉将を詰めてみろ」とされる。

とありました。

詰めてみ詰めてみ)」が変じて「詰めろ詰めよ)」なのですね。このことから、玉は「詰める」ものと得心しました。

「詰める」と同じ意味で「詰ます」も普通に使われています。(むしろポピュラーかも)。但し「詰ます」という言葉は、辞書に載っていません。個人的には誤用と思い、避けていましたが、この疑念もウィキペディア(下記)が晴らしてくれました。

「詰める」と「詰ます」(ウィキペディアより)
相手の玉を詰みの状態にもっていくことを、「詰める」あるいは「詰ます」と呼ぶ。現在では慣習上、どちらの言葉も広く使われている。(ただし日本語としては、「詰める」の方が正しい。)

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将棋の指し手や作戦の工夫に、よく知られた原理や法則などを応用できないか。まず思いついたのが「オズボーンのチェックリスト」でした。アイデアを広げる切り口に、九つの項目があります。

(例1)角換わりの定番となった▲4八金▲2九飛型。AIが好形のお墨付きを与えたようです。最近は矢倉や相掛かりなどでも見掛けるようになりました。これらは「応用」(他からアイデアが借りられないか)の例でしょう。

(例2)「三間飛車藤井システム」「振り飛車ミレニアム」「右四間飛車エルモ囲い」。近年出版された戦法本のタイトルの一部です。いずれも「結合」(組み合わせてみたらどうか)に基づいています。

(例3)プロらしい好手に、「単に」「先に」などがあります。指したい手を含みに、後回しにする手ですね。相手を幻惑する効果もあるかと。これらは「逆転」(逆にしてみたらどうか)の例でしょう。トップ棋士の中で一番上手く利用しているのが……豊島九段でしょうか(私見)。

こうしたアイデアの源泉は他にもありそう。後日続きを書きたいと思います。

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学生の頃から見ていた「クイズダービー」(TBS系列)。馬券の人気は、3枠・はらたいら、4枠・竹下景子に集まった。1枠には長く篠沢秀夫(大学教授)が座った。浮世離れして正答率は高くなかったが、たまに穴を開けていました。

篠沢教授は、答えを知っている問題が出ることを「不愉快」と言った。知らない問いをあれこれ謎解きすることが(それがとんでもない誤答であっても)「愉快」なのでしょう。学者らしいというべきか。

将棋にも相通ずるところがありませんか。AIが進化し、定跡が整備されても、結局は未知の局面に遭遇する。下手は下手なりに、ない知恵を振り絞って、ああでもないこうでもないと考えることを楽しんでいるのです。

新旧の王者が、会見でよく似た回答をしていたという*記事を読みました。

藤井聡太竜王(竜王獲得後、「将棋とは」という質問に)
「将棋は奥が深くて、どれだけ考えてもわからないものではあるんですが、本当に指すごとに新しい発見を与えてくれるものなのかなと思います」

羽生九段(永世七冠を達成後、今後の目標について聞かれ)
「もちろん記録を目指していくというのもありますが、将棋そのものを本質的にどこまで分かっているのかと言われたら、まだまだよく何もわかっていないというのが実情です」

トッププロをもってしても「分からない」。我々アマは言わずもがなですね。分からないから面白い。だからもうこれからは本当に、指したい将棋を、指したい手を、指したいように指そうと思います。口だけではなく--。

*(参考記事)将棋を愛し強き者の共通点 藤井聡太竜王・羽生善治九段 2人の天才が竜王獲得の会見で一致した「将棋はわからない」という言葉 | ニュース | ABEMA TIMES

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((1)はこちら

どうしても振り飛車が指したい人は、②相振り飛車を選ぶことになります。序盤の駒組みは割とスムーズ。けれど中盤以降の指し手(攻め方)は、対抗形とはまるで違ったものになります。

いわゆるさばきの将棋にならない。自分の飛車先(攻め駒の向かい側)に敵玉の囲いがある。これは相居飛車と同じで、俗に「縦の将棋」と言われます。相手を正面から押しつぶす。ラグビーのフォワード戦のイメージです。(分かるかな)

相振り飛車は定跡が整備されていないので、いわゆる力戦、力将棋になる。難しい反面、自由度は高い。対抗形に定跡のテストを受けているような息苦しさを感じている人は、試してみるのも一案でしょう。

コツの一つは、左辺の攻め駒(飛角銀桂香)を使って思い切り攻めること。攻撃は最大の防御なり。どのみちよく知らない者同士で戦っているのですから(笑)。そしてそのためにも歩を使うこと。開戦は歩の突き捨てから。歩をポンポンと突きくれて、攻めの可動域を広げましょう。

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飛車を振るつもりが、相手から先に振られたときにどうするか。

①居飛車にする(対抗形)
②自分も振る!(相振り飛車)

プロでも二通りに分かれます。①は久保九段、②は藤井猛九段が代表格でしょうか。

私のおすすめは①。「振り飛車しか指さない、居飛車は指さない」というのは、「魚しか食べない、肉は食べない」に似ていませんか。単なる食わず嫌いは、食事の半分を損している。同様に「振り飛車しか指さない」は、将棋の楽しさの半分を損しているように思えてなりません。

居飛車vs振り飛車の対抗形は、実は見慣れた将棋、よく指している将棋になるということ。違うのは見ている景色。上下反転、いわゆる「ひふみんアイ」ですね。普段相手にされて嫌なことを、こちらがして差し上げればいいのです(笑)。

(図は△3二飛まで)
相振り4手

図から先手が居飛車にするのは、気合い負けで少し損かもしれません。けれど私たちレベルならどうということはない。こちらは角道を止め、あちらは三間飛車。じっくりと持久戦を目指しましょう。

▲5八金右△3五歩▲6八玉A△6二玉▲7八玉B△7二玉が一例。AやBで△3六歩とされたときは、▲同歩と取らず▲4八銀としましょう。以下△5五角▲3八飛△3七歩成▲同銀で何も起こりません。

(2)に続く)

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