ブログ - 将棋レッスン ワン・トゥ・ワン

初段ナビゲーターのランダムノート

カテゴリ: コラム「ひよこのきもち」


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「間違う可能性のあることは必ず間違える」。「マーフィーの法則」は、自虐的で哀愁漂う経験則をまとめたもの。米軍のエンジニアの名をとったとされます。

日本では1993年にブームが起こり、関連書籍が多く出版されました。私が最初にこの法則を知ったのは1989年。当時米国人とエンタメ関連の仕事をしており、舞台公演を前にした学生たちに心得として授けていました。

「大事な予定がある日に限って残業になる」「急いでいるときに限って信号が次々に赤になる」「満員電車で自分が立っている席の前だけ空かない」などなど。思わずうなづいてしまう「あるある」ですね。

「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」

これを将棋に置き換えようとしたとき、先の王座戦で見た永瀬さんの悔恨を思い浮かべてしまいました。懸かっていたものが甚大でしたから。

我々のようなヘボでも、(悪手を)指した後、指が駒から離れるか離れないかのわずか0コンマ何秒の間に、全身から脂汗が出るような感覚は実におぞましいものがあります。

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以前書いた記事の増補版です。「将棋世界」は本屋で斜め読み。5月号だけは買って集めています。(連盟さん、ごめんなさい)

将世00-23

今年から10年ずつさかのぼって比べてみました。変わるものと変わらないものが浮かんできますね。

将世5月号

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藤井本
四間飛車上達法
[著]藤井猛
[出版社]浅川書房
[価格]1,540円
[発売日]2017/12/25

正しくは(入門書というより)技術書でしょうか。スラスラと読める本や、手っ取り早く知識や理屈が得られる本がいい本という訳ではない。ゆっくりとつっかえながら時間を掛けて読む本や、何度も何度も繰り返して読んで体の中に深く取り込んでいくような感じの本もある。本書は後者に当たります。

著者本人が『自分が子どもの頃に「こんな本に出会いたかった!」と思うような本を作ってみました』と述べている。孤軍奮闘して藤井システムを作り上げた棋界きっての理論派。四間飛車を通して将棋の序中終盤を理解し、一本の軸が身につくよう、熱心に語ってくれます。

聞き手との会話調で講義は進む。自分を聞き手(受講者)と重ね合わせて読むといいでしょう。初心のうちから手元に置きたい名著。将棋が好きになれるか否かの踏み絵のような本かもしれません。

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高野本
将棋「初段になれるかな」会議
[著]高野秀行・岡部敬史・さくらはな。
[出版社]扶桑社
[価格]1,012円
[発売日]2018/12/27

読者対象をはっきり「級位者」と定めている。『本書は、今まで身の丈に合った本がなかったに違いない級位者のみなさんにとって「これならわかる」を目指したものです』(「はじめに」より)

手に取りやすい新書判。高野秀行六段の分かりやすい解説を、ライターの岡部氏と漫画家のさくら氏が読みやすく親しみやすくサポートしています。三人の対談をもとに講義は進む。自分を生徒のアマ二人と重ね合わせて読むといいでしょう。

将棋の符号は少なめ、図面は多め。手筋や格言など上達のコツがコンパクトにまとめられています。何気ない会話の中に、棋力アップにつながるヒントやエッセンスが散りばめられている。読み進めるうちに、将棋脳が動き出し鍛えられていくことでしょう。

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羽生本
改訂版 羽生善治のみるみる強くなる将棋入門
[監修]羽生善治
[出版社]池田書店
[価格]1,100円
[発売日]2021/12/13

おすすめの入門書を聞かれたときのために、書店に並ぶその類いに一通り目を通した。私が一番読みやすいと感じたのが上の本でした。

私なりに初心者に伝えたいコツやそれらの順序立てに一番近いような。レッスン事業を始める際、入門用のオリジナル冊子を作るつもりでしたが、この本があれば事足りますね(笑)。

・改訂版 羽生善治のみるみる強くなる将棋入門 目次
羽生本目次

「第1章 駒プロフィール」には、駒ごとの特徴がしっかりと書かれている。駒の能力(総合力・攻撃力・守備力・機動力)を点数化し、レーダーチャートで表しています。

おそらくRPGに親しむ子供らを意識したものかと。駒の価値や損得勘定は、初心のときにきちんと習得するといいでしょう。

・駒ごとの能力パラメータ
羽生本駒の点数

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